注文住宅の失敗事例6選|具体例で学ぶ後悔しないためのポイント
2021.02.25
新築で注文住宅を購入する際、間取りや収納などで失敗したくないと考える方も多いのではないでしょうか。住宅は購入時点から老後まで長期間にわたって生活の質に影響する商品のため、購入前に十分な検討が必要です。
そこで今回は、注文住宅のよくある失敗事例として、間取りと収納スペース、設備・構造の3つに関する具体的な内容を解説します。後悔しないためのポイントについて学び、理想の注文住宅を手に入れたい方はぜひ参考にしてください。
目次
1.注文住宅で失敗する原因とは?
注文住宅を建てる人の中には、完成した新居で暮らし始めてから後悔する人も少なくありません。注文住宅で起こりがちな失敗の主な原因は、次の通りです。
・家事動線や生活動線を十分考慮しなかった
家事の効率を上げるためには、家事をする際の動線をなるべく短くすることが大切です。家事動線を考慮せずに間取りや家具・家電の置き場所を決めると、「洗濯機と物干しスペースが離れており洗濯物を運ぶのが大変」などのストレスにつながります。
また、起きてから寝るまでに通る生活動線への配慮も重要です。特に居住面積があまり広くない場合や家族の人数が多い場合は、家事動線や生活動線がぶつかることでストレスが生じやすくなります。
・具体的な生活をイメージしきれなかった
注文住宅を建てる際は、家族全員のライフスタイルやその土地の気候・環境などを考慮しながら、今後の生活をできるだけ具体的にイメージする必要があります。現在の状況だけを見て間取りや部屋の使い方を細かく決めると、子どもの成長やライフスタイルの変化などにともなって使い勝手が悪くなりかねません。
二世帯住宅の場合は、どのスペースを共有するか、すべてのスペースを別々にするのかをはっきりさせてから打ち合わせることが重要です。
・家族内でのコミュニケーションが不足していた
注文住宅の計画を練る際は、家族一人ひとりのライフスタイルや設備・間取りなどへの要望を事前に把握しておくことが重要です。家族の意見を無視して住宅を建てると後から文句を言われたり、家庭不和のもとになったりします。住宅そのものの仕様だけでなく、通勤・通学や日々の買い物などの負担がなるべく偏らないような立地選びも欠かせません。
2.注文住宅のよくある失敗事例6選
注文住宅を購入する際に特に失敗しやすい項目には、大きく分けて下記6つが挙げられます。
- 間取り
- 収納スペース
- 設備・構造
- 水回り
- デザイン
- 庭・ガレージ
見た目の好みによってデザインを決めやすい家の外観や壁面の素材などと異なり、上記の6点は予期せぬ失敗が起きやすい項目です。設計を考える時点では良いと感じていても、実際に生活を始めたあとで、不満やトラブルが生じる場合があります。
各項目に関する具体的な失敗事例を学び、注文住宅のトラブルを未然に防ぎましょう。
3.「間取り」に関する注文住宅のよくある失敗事例
間取りは各部屋に割り当てる面積や部屋同士の位置関係だけでなく、各部屋の用途まで考えて決定することが大切です。間取りの設計に失敗してしまった場合、騒音や移動の大変さが生じるリスクがあります。
間取りに関する注文住宅のよくある失敗事例は、次の2つです。
3-1.リビングの真上に子ども部屋を作ってしまった
間取りに関する1つ目の失敗事例は、リビングの真上に子ども部屋を作ってしまうケースです。
子どもの年齢が低い時期は、室内で騒ぐことも一般的です。子どもたちが室内で走り回ったりジャンプしたりすると、真下にある部屋に音が響きます。特に、兄弟や姉妹がいる場合や、子どもが友達を家に連れてきた場合はさらに騒がしくなる傾向です。
子ども部屋から足音や大声が聞こえてくると、リビングでリラックスすることができません。また逆に、リビングにある食洗器やテレビの音が子ども部屋に伝わり、子どもが起きてしまうこともあります。そのため、リビングと子ども部屋は位置をずらすことが重要です。
3-2.生活のために階段の上り下りが必須で老後につらくなった
間取りに関する2つ目の失敗事例は、階段の上り下りが必須で老後につらくなるケースです。
2階建てや3階建ての注文住宅では、階段に関するトラブルが発生しやすい傾向にあります。1階にリビングやトイレ、浴室だけを配置し、2階以上に寝室を作った場合、寝室に行くたび階段を上り下りしなければなりません。
老後は、階段の上り下りによる負担も身体に大きく響きます。若くて体力があるときには階段の上り下りによる負担が特に気にならないため、注文住宅を設計する時点では問題に気付きにくい傾向です。
4.「収納スペース」に関する注文住宅のよくある失敗事例
注文住宅では、収納スペースを配置する場所や広さを適切に設計する必要があります。収納スペースの使い勝手が悪かったり、必要以上に面積をとりすぎたりした場合、快適に生活することができません。
収納スペースに関する注文住宅のよくある失敗事例は、次の2つです。
4-1.収納場所が遠くて結局活用しなかった
収納スペースに関する1つ目の失敗事例は、収納場所が遠くて活用しなくなってしまうケースです。
収納スペースは住宅において重宝される便利なスペースですが、物品を使用する場所と収納スペースの距離が離れていると、物品を取りに行く際に時間と手間がかかります。また、収納スペースの奥行をとりすぎると、奥にしまった物品を取り出すことができず、結局活用しなくなるケースも少なくありません。
手軽に利用できる位置に収納スペースがなければ、ただの物置・デッドスペースと化してしまいます。快適な生活の肝となる収納スペースは、物品を使う場所を考慮してから配置を決めましょう。
4-2.ウォークインクローゼットがかえって邪魔になった
収納スペースに関する2つ目の失敗事例は、ウォークインクローゼットがかえって邪魔になるケースです。
ウォークインクローゼットとは、通常のクローゼットよりも広く、収納内部に歩いて入れるタイプの収納スペースのことを指します。ウォークインクローゼットには、収納に必要な幅に加えて、人が歩くためのスペースも必要です。
しかし、ウォークインクローゼットを必要以上に広くしてしまうと、部屋の面積が狭くなる傾向にあります。さらに、ドアの開閉の妨げとなるため、ウォークインクローゼットの周辺には物品を置いておくことができません。そのためウォークインクローゼットは、周辺の間取りや家具の配置をイメージしたうえで作りましょう。
5.「設備・構造」に関する注文住宅のよくある失敗事例
注文住宅の設備・構造は、住みやすさに大きく影響を与えます。電気配線などの設備は住宅完成後の変更工事が難しいため、よく考えて設計することが大切です。また、必要に応じてリフォームしやすい構造にしておくことも重要となります。
設備・構造に関する注文住宅のよくある失敗事例は次の2つです。
5-1.欲しい場所にコンセントを作れていなかった
注文住宅の設備・構造に関する1つ目の失敗事例は、欲しい場所に電源コンセントが作れていないケースです。
リビングにおけるコンセントの位置だけに意識が向きがちですが、コード式掃除機を使用する際のコンセントや、模様替えしがちな個人部屋のコンセントなど、考えるべき部分は多くあります。
電源コンセントの位置が悪かったり、数が少なかったりすれば、電源タップや延長コードを購入する必要があります。配線が増えると整理しづらく不便です。各部屋においてどのような過ごし方をするか、生活と家具配置のイメージをしたうえでコンセントの位置と数を決定しましょう。
5-2.したいリフォームができない構造にしてしまった
注文住宅の設備・構造に関する2つ目の失敗事例は、あとで実施したいリフォームができない構造にしてしまうケースです。
一戸建てで生活する場合、居住者の年齢や家族構成、ライフスタイルなどの変化に合わせてリフォームをすることが一般的です。しかし、エアコンを設置する位置や壁の構造によっては、希望するリフォームが難しくなる場合があります。
前述したように、若いときは気にならなかったポイントが、老後になって初めて身体の負担になったり、気になったりすることも多々あります。老後の生活を考慮して、なるべくリフォームのしやすい構造にしましょう。
6.「水回り」に関する注文住宅のよくある失敗事例
「水回り」は家の中で水をよく使う場所の総称であり、主に台所・トイレ・浴室・洗面所などを指します。注文住宅は水回りの位置や仕様を自由に決められる点が魅力ではあるものの、よかれと思ってプランニングした水回りが悩みの種となることもしばしばです。
水回りに関する注文住宅のよくある失敗事例は次の2つです。
6-1.浴室の広さに不満を感じてしまった
お風呂でのんびりくつろぎたい場合や子どもと一緒に入浴したい場合などは、ある程度広い浴室が便利です。しかし、浴室やバスタブが広すぎると寒々しい雰囲気となり、掃除や水道光熱費の負担も大きくなります。加えて広い浴室内を完全に乾かすことは難しく、残った湿気がカビの原因になることもしばしばです。
浴室の開放感と使いやすさを両立させたい場合は、むやみに浴室を広くするよりも壁をホワイト系にするなどして広く見せる工夫をするとよいでしょう。掃除のしやすさを重視するなら、なるべくシンプルで床や天井の凹凸が少ないデザインをおすすめします。
6-2.夜間の排水音が気になってしまった
水回りのすぐ近くに寝室があると、排水音や壁に埋め込まれた配管の流水音が気になって眠れなくなることがあります。
夜は外が静かであることが多く、昼には何とも思わないような水音が気になることも珍しくありません。また、水音とともに水回りに通じるドアの開閉音や足音などが響くケースもあります。
一方、水回りと寝室の距離が短いと「入浴後寝室に直行できる」「夜中に目覚めてもトイレに行きやすい」などのメリットを得られます。これらのメリットを重視して水回りの近くに寝室を設けたい場合は、間に収納スペースを設けたり壁や床に防音材を用いたりすることで静けさを保ちやすくなるでしょう。
7.「デザイン」に関する注文住宅のよくある失敗事例
注文住宅にオリジナリティのあるデザインや設備を採用することで住む人の個性を表現でき、より快適な住まいを実現できます。一方で見た目のおしゃれさや快適そうなイメージにこだわりすぎるとかえって使い勝手が悪くなったり、予算オーバーとなったりするリスクもあります。
デザインに関する注文住宅のよくある失敗事例は次の2つです。
7-1.イメージと異なる外壁となった
屋内の小さいサンプルや写真だけを参考にして外壁を決めると、自然光の下で大きな壁を見て「イメージが違う」と感じることがあります。オリジナリティを出そうとして個性的な外壁を選んだ場合、周囲の景観から浮いて見えたり時間の経過とともに飽きたりすることも少なくありません。
外壁選びの失敗を防ぐポイントの1つは、同じような外壁の住宅を観察することです。住宅展示場のモデルハウスでもよいですが、可能であれば実際に人が生活している住宅街を見ることで周囲の景観へのなじみやすさなどを確認しやすくなります。また、メンテナンスのしやすさも忘れずに確認しておきましょう。
7-2.こだわりのデザイン・設備に実用性がなかった
見た目のよさやイメージだけで部屋のデザインを決めると、思いのほか使いにくかったりメンテナンスに手間がかかったりすることがあります。
また、個性的なオプションをつけたものの実際に使う機会が少なく、十分な費用対効果を得られないこともしばしばです。作り付けの設備は簡単に取り外すことができないため、実用性やコストなどを考えつつ慎重に検討する必要があります。
住宅のデザイン性や設備にこだわりたい場合は、メリットとデメリットの両方を確認しつつ慎重に決めることが大切です。ハウスメーカー担当者と相談するだけでなく、同じような設備を導入した人の意見や失敗談なども参考にするとよいでしょう。
8.「庭・ガレージ」に関する注文住宅のよくある失敗事例
注文住宅であれば、住宅の第一印象を大きく左右する庭やガレージを自分好みの仕様にできます。そのため、注文住宅を建てる人の多くは庭やガレージにもこだわりますが、生活イメージが不十分なままで仕様を決めて後悔するケースが後を絶ちません。
庭やガレージに関する注文住宅のよくある失敗事例は次の2つです。
8-1.ウッドデッキの設置場所が不適切だった
リビングの横にウッドデッキを設けることで開放感が生まれ、庭のスペースを有効に活用できます。しかし、道路や隣家との境目のすぐそばにウッドデッキを設けると外から丸見えになって落ち着かなくなる恐れがあります。目隠しフェンスを設けて視線を遮ることはできるものの、プライバシーの確保と引き換えに風通しや日当たりが悪くなることもしばしばです。
1階の庭にウッドデッキを設置する場合は整地工事を行いますが、地面の凹凸が多かったり土が柔らかすぎたりすると整地工事費がかさむことも少なくありません。また、素材によってはお手入れが大変だったり夏場に熱くなりすぎたりする点にも注意が必要です。
8-2.ガレージが使いにくかった
車のサイズに対してガレージが狭すぎると駐車しにくくなってしまい、大切な車やガレージの壁を傷つける恐れがあります。
子どもがいる場合は、子どもの成長に合わせて自転車の数を増やしたり大きい自転車に買い替えたりして、ガレージが一杯になることもあるでしょう。また、十分な換気設備がない屋内型ガレージには排気ガスが充満しやすく、一酸化炭素中毒などの重大なトラブルにつながりかねません。
注文住宅にガレージを設ける場合は、現在乗っている車のサイズだけでなく、今後買い替えや買い増しをする可能性を考慮して仕様を決めることが大切です。ビルトインガレージを設ける場合は、ガレージを大きくするほど居住スペースが狭くなる点や耐震性向上のために建材が制限される点にも留意しましょう。
9.失敗事例で学ぶ!注文住宅で後悔しないためのポイント
注文住宅で後悔しないためには、失敗事例からわかる注意点に気をつけることが大切です。個々の失敗事例から学べるポイントを押さえれば、起こり得るさまざまなトラブルを想定し、理想的な注文住宅が設計できます。
最後に、注文住宅で後悔しないためのポイントを3つ紹介します。
9-1.将来を見据えた設計にする
いつまでも快適に住み続けたいのであれば、家族計画や老後に備えて、柔軟に使用できる間取りを考えましょう。
必要に応じて部屋数を増やしたり、部屋の広さを変えたりできれば、生活の質を高めることが可能です。
また、老後に備えてリフォームできる余地を残しておくことも、注文住宅で後悔しないためのポイントとなります。
9-2.生活導線に配慮する
注文住宅を建てる際はまず、実際に生活するときのことを考えて、部屋ごとの移動経路や空間の使い方などをシミュレーションしましょう。
生活導線に配慮すれば、電気配線やエアコンなどの設備も適切に配置できます。1日の生活スケジュールを思い浮かべながら、間取りや家具の配置を決めることが重要です。
9-3.さまざまなモデルハウスを事前に見学する
モデルハウスを見学することで、理想的な注文住宅をより具体的にイメージすることが可能です。
愛知県の総合住宅展示場「中京テレビハウジング」では、モデルハウス勝手に見学DAYのほか、家づくり1年生勉強会などのイベントを開催しています。
中京テレビハウジングのサービスを利用すれば、たくさんのモデルハウスを見学し、注文住宅を作るための情報を効率良く得ることが可能です。「家族全員がいつまでも快適に過ごせる家づくり」を望んでいる方は、一度中京テレビハウジングのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
注文住宅の購入において、間取りと収納スペース、設備の3点は特に失敗しやすい項目です。快適に暮らすためには、部屋同士の位置関係や階段の利用、収納スペースやコンセントの設置場所などに注意する必要があります。
将来を見据えたうえで、生活導線に配慮した設計を行うことが注文住宅で失敗しないためのポイントです。
ここまで注意点を多く紹介しましたが、一番大切なことは「自分で間取りの詳細まで考えず、まずはハウスメーカーに相談して意見を聞く」という点です。ハウスメーカーは建築実績が豊富であり、住み始めた後も快適に過ごせるプランの提案に長けています。
また、注文住宅を購入する際には心配事が多く生まれるかもしれませんが、住宅展示場に出展している経験豊富なメーカーならば安心して相談が可能です。
愛知県周辺で注文住宅の購入を検討している方は、中京テレビハウジングのサービスをぜひご利用ください。