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家を建て替える費用の相場・内訳は?|費用を抑えるポイントも解説

2023.07.13

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建て替え費用の相場・内訳|費用を抑えるポイントも解説

 

マイホームの購入・建築から数十年が経過したときや、数十年前からある実家を相続したときなど、住宅の建て替えを検討するタイミングは人によってさまざまです。なかには、中古住宅を購入したあとすぐに解体し、こだわりの詰まった住宅に建て替えるケースも存在します。

建て替えを検討したとき、まず気になるポイントが「費用」です。そこで今回は、建て替え費用の相場から具体的な内訳、さらに建て替え費用を抑えるためのポイントまで紹介します。最後に、建て替えを行う際の注意点についても説明しているため、ぜひ参考にしてください。

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1. 家の建て替え費用の相場

そもそも建て替えとは、既存物件を基礎部分から解体し、新たに物件を建築することを指します。いわば「ゼロから住宅を建てる」こととなるため、一般的な物件価格と相場はほぼ同程度と言えるでしょう。

国土交通省が公表した「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、建て替え世帯の住宅建築資金は下記の通りとなっていました。自己資金額・自己資金比率とともに、新築世帯と比較して紹介します。

【工事の種類(新築・建て替え)別の住宅建築資金】

住宅建築資金 自己資金 自己資金比率
新築世帯 3,866万円 1,023万円 26.5%
建て替え世帯 4,487万円 2,093万円 46.7%

出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

新築世帯の住宅建築資金は3,866万円であることに対し、建て替え世帯の住宅建築資金は4,487万円となっています。しかし、建て替え世帯の自己資金比率は新築世帯の2倍程度であり、住宅建築資金の約半額は自己資金で賄っている方が多いことも特徴です。

また、平成30年度から令和4年度における建て替え費用の推移は、下記の通りとなっていました。

年度 住宅建築資金
令和4年度 4,487万円
令和3年度 3,299万円
令和2年度 3,055万円
令和元年度 3,555万円
平成30年度 3,491万円

出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

2. 家の建て替え費用の内訳

建て替え費用の内訳は、「解体工事費用」「新築工事費用」「地盤改良工事費用」「諸費用」の4つに大別できます。

また、諸費用に関しては、税金や登記費用、引越し費用、保険料などが挙げられます。これらの諸費用は、家を建てる費用の3~6%となることが一般的です。

ここからは、建て替え費用の内訳として、項目ごとの相場を詳しく紹介します。

2-1. 解体工事費用

解体工事費用とは、名前の通り住宅を解体・撤去するための工事にかかる費用のことです。物件の構造や床面積によって、相場の目安は異なります。

物件構造 解体工事費用の相場
木造住宅 5万円/1坪
軽量鉄骨造住宅 5万~7万円/1坪
RC造(鉄筋コンクリート造)住宅 6万~8万円/1坪

ここで注意しておきたいのが、「上記の費用相場は、あくまでも問題なく解体できる場合の目安」である点です。強固な構造によって解体に手間がかかる場合や、周辺の道が狭いといった立地上の問題て解体に必要な大型重機が利用できない場合などは、相場以上の費用になる可能性が高いことを覚えておきましょう。

より具体的な解体工事費用を知りたいなら、実際に専門業者に現地を見てもらい、正確な見積もりをとるほかありません。

2-2. 建築工事費用

建築工事費用とは、既存物件の解体後、新たに建て替える物件の建築工事にかかる費用のことです。建築工事費用には、「本体工事費」と「付帯工事費」の2種類があります。

●本体工事費

住宅本体の建築に必要な費用です。延床面積や住宅に使用する建材の質、導入する設備だけでなく、依頼するハウスメーカー・工務店などによっても大きく異なります。

●付帯工事費

住宅本体以外における、生活に必要なものを揃えるための工事で、「別途工事費」とも呼ばれます。電気・ガス・水道といったライフラインの引き込み工事や外構工事、さらにエアコン設置費も付帯工事費に該当します。建築工事費用全体のうち、約20%が付帯工事費の相場です。

2-3. 地盤改良工事費用

既存住宅の解体後、新たな家を建てるにあたって地盤の調査が行われます。鑑定士による地盤調査の結果、土地の地盤改良が必要と判断された場合は、地盤を補強するための地盤改良工事を行わなければなりません。このときにかかる費用が、地盤改良工事費用です。

地盤改良工事費用の相場は、工事内容によって大きく異なります。約100平方メートルの土地の場合、比較的簡単な補強工事であれば約40万円前後が相場となる一方で、より強固な工事は100万円以上の費用がかかることもあります。

しかし、もともとの土地の状態によっては地盤改良工事が必要ないケースもあります。ハウスメーカーでは周辺での建築実績等から地盤改良が必要か否か予測できる場合もあるため、まずは検討先のメーカーに相談されることをおすすめします。

2-4. 印紙税

印紙税とは、各種契約書(課税文書)に課せられる税金であり、税額は契約書に記載された金額によって異なります。定められた税額分の収入印紙を貼付すれば、納税したこととなります。建て替えにおいては、主に「工事請負契約書」にて収入印紙を貼付し、納税する形です。

契約書の記載金額ごとの印紙税額は、国税庁のホームページにて公表されています。なお、2024年3月31日までは軽減税率が適用されており、2024年4月以降は本則税率での印紙税が必要です。

契約書の記載金額 【軽減税率】印紙税額 【本則税率】印紙税額
500万~1,000万円 5,000円 10,000円
1,000万~5,000万円 10,000円 20,000円
5,000万~1億円 30,000円 60,000円

出典:国税庁「建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置」

2-5. 登録免許税・登記費用

登録免許税・登記費用とは、法務局にて不動産登記手続きを行う際に収める必要のある税金です。建て替えにおいて必要となる登記手続きには、「建物消滅登記」「所有権保存登記」「抵当権抹消登記」「抵当権設定登記」などがあります。建物消滅登記に登録免許税は不要ですが、その他の登記手続きには登録免許税が発生することを覚えておきましょう。

なお、登録免許税の各種税額も国税庁のホームページにて公表されています。

登記の種類 登録免許税額
所有権保存登記

【軽減税率】固定資産税評価額×0.15%

【本則税率】固定資産税評価額×0.4%

抵当権抹消登記 不動産1つにつき1,000円
抵当権設定登記

【軽減税率】住宅ローン借入額×0.1%

【本則税率】住宅ローン借入額×0.4%

出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」

登記手続きは自身で行うことももちろん可能ですが、登記のタイミングや条件によって軽減税率が適用されるなどやや複雑な点もあるため、正確にかつお得に手続きを進めたいなら司法書士への依頼がおすすめです。

登記手続きを司法書士に依頼する際は、報酬の支払いが必要となります。司法書士に支払う報酬は、登記手続きの内容や不動産価額によって異なることも覚えておきましょう。

2-6. 不動産取得税

不動産取得税とは、土地・建物といった不動産の取得時に一度だけ課せられる地方税です。課税標準は、固定資産課税台帳に登録された固定資産評価額となります。

不動産取得税の税率は、総務省のホームページにて公表されています。

【軽減税率】不動産取得税率 【本則税率】不動産取得税率
固定資産税評価額の4% 固定資産税評価額の3%

出典:総務省「地方税制度|不動産取得税」

なお、住宅・住宅用地の特例(軽減措置)として、50平方メートル以上240平方メートル以下の新築住宅は、固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。

2-7. 火災保険料・地震保険料

住宅ローンを借りるためには、火災保険の加入が必須です。また、万が一に備えるために地震保険に加入する方も多いでしょう。このときに必要となるのが、火災保険料・地震保険料です。

火災保険料・地震保険料は、住宅の構造や面積、さらに補償額によって異なります。建て替え前に契約していた保険プランは、建て替え後の住宅と条件が合わなくなる可能性があるため、必ず保険会社に連絡をして適切な契約プランへと変更しなければなりません。

2-8. 引越し費用

引越し業者に依頼して、新しく建て替えた住宅へ引越す場合は、業者へ引越し費用を支払わなければなりません。なお、建て替えをする住宅に住んでいた場合は仮住まいの家への引越しが必要となるため、合計で2回分の引越し費用が必要となることも覚えておきましょう。

引越し費用は、荷物量に応じたトラックの大きさや台数、さらに引越し業者、時期、距離によって大きく異なります。例として、一般的な3人家族の引越し費用は、1回あたり約8万~15万円が相場です。

2-9. 仮住まいの費用

現在居住している家を建て替える場合、既存住宅の解体から新築住宅の引き渡しまでは1年ほどの期間がかかります。その間は、仮住まいの家で生活しなければなりません。

親戚の家に仮住まいさせてもらえたり、所有するセカンドハウスに住んだりする場合はそれほど多くの費用は発生しないものの、仮住まいの家として賃貸住宅を借りる際は初期費用や家賃が必要となることを覚えておきましょう。

例として、家賃10万円の賃貸住宅を借りた場合、1年間で必要となる仮住まい費用は敷金・礼金・仲介手数料などの諸費用を含めて概ね150万~200万円が目安です。

3. 家の建て替え費用を抑える5つのポイント

ここまで紹介したように、住宅の建て替えにかかる費用項目はさまざまで、支払うタイミングもそれぞれ異なります。なるべく費用を抑えて新たに家づくりをしたいのであれば、下記5つのポイントをおさえておくことが大切です。

  • 家の間取り・形をシンプルにする
  • 解体工事・建築工事をまとめて依頼する
  • 給付金・減税措置を活用する
  • 仮住まいの費用を抑える
  • 建て替え時期を調整する

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。

3-1. 家の間取り・形をシンプルにする

建て替えに限らず、住宅建築の際は間取りや形にこだわりを取り入れれば取り入れるほど建築費用が高まる傾向にあります。建て替え費用を抑えたいのであれば、可能な限りシンプルな形状の間取りにすることがおすすめです。

シンプルな間取りや形の住宅は、建築費用を削減できるだけでなく、その後のメンテナンスもしやすくなり、修繕費用も安価に抑えられやすくなると言えます。

3-2. 解体工事・建築工事をまとめて依頼する

建て替え費用を抑えたいなら、同じ施工会社に解体工事・建築工事をまとめて依頼することがおすすめです。

解体工事・建築工事をワンストップで依頼することで、万が一のトラブルが発生した際も素早く対処してくれるだけでなく、解体費用もまとめて住宅ローンを借りれるようになります。建て替え費用を抑えたい方はもちろん、十分な自己資金がない方にとってもメリットの大きい方法と言えるでしょう。

3-3. 給付金・減税措置を活用する

国や各自治体が実施している給付金・補助金制度や減税措置を上手に活用することも、建て替え費用を抑える有効な方法です。制度・措置によって受けるための条件は細かに異なるため、建て替えの計画段階からチェックしておくことが望ましいでしょう。

国や各自治体が実施する給付金制度や減税措置の概要・要件を自分で調べるのは決して簡単ではないため、ハウスメーカーに相談しましょう。最新の情報や諸条件などを教えてくれます。

3-4. 仮住まいの費用を抑える

建て替え中の仮住まいにかかる費用は、各建て替え費用のなかでも比較的高額となる傾向です。建て替え費用を節約するなら、仮住まいの費用をできる限り抑えることがポイントとなるでしょう。

仮住まいの家には長くても1年程度しか居住しないため、もともと住んでいた住宅からグレードをダウンさせてでも賃料の安い物件を選ぶことが最もおすすめです。

賃料の安い物件はその分狭くなる可能性があるものの、入りきらない荷物や家具はトランクルームやレンタル倉庫に置いておくことも1つの手段と言えるでしょう。

3-5. 建て替え時期を調整する

建て替えの際は、仮住まいの費用や引越し費用が必要となります。賃貸住宅や引越し業界はいずれも新年度を迎える3月~4月や大型連休のある5月、8月~9月ごろが繁忙期と言われており、この期間中の依頼は通常より料金が上がるケースも少なくありません。

そのため、業界の閑散期を狙って建て替え時期を調整することがおすすめです。閑散期は一般的に6月・11月・1月・2月とされています。建て替え費用をなるべく抑えたいなら、これらのタイミングを狙って仮住まいや引越し、引き渡しスケジュールを立てるようにしましょう。

4. 家の建て替えを行う場合の注意点

住宅の建て替えを行う際は、下記3つの点をおさえておきましょう。

  • 再建築不可物件に注意する
  • 既存不適格建築物に注意する
  • 建て替え以外の選択肢も検討する

最後に、それぞれの内容について詳しく説明します。建て替えでの失敗をできる限り防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。

4-1. 再建築不可物件に注意する

都市計画法で定められた都市計画区域・準都市計画区域においては、再建築不可物件となっていないかどうかを必ず確認しておきましょう。再建築不可物件とは、「建築基準法による接道義務を満たしていないために、建物を建て替えることができない物件」を指します。

なかには再建築不可物件であっても、周囲に用水路や公園などがあったり、セットバックをしたりすれば建て替えが認められるケースはあるものの、建てられる住宅の幅は狭まることに注意が必要です。

4-2. 既存不適格建築物に注意する

建て替えの際は、対象の物件が再建築不可物件ではないかの確認に加え、既存不適格建築物ではないかもあわせて確認しておきましょう。既存不適格建築物とは、建築時点の法令においては合法だったものの、その後の法改正によって現行の法令においては基準を満たさなくなった建築物を指します。

既存不適格建築物の建て替えの際は、現行の法令に則った住宅を建てなければならず、既存住宅よりも延床面積を増やしたり高さを出したりすることが制限される可能性が高い点に注意が必要です。

4-3. 建て替え以外の選択肢も検討する

建て替えをしたい住宅が、理想通りの住宅を建築できない再建築不可物件・既存不適格建築物だった場合や、予算的にも建て替えが難しい場合は、建て替え以外の選択肢を検討することもおすすめです。

再建築不可物件・既存不適格建築物とみなされた物件であっても、状況によってはリフォームやリノベーションが可能です。リフォームやリノベーションでも住宅の雰囲気を一変させられるだけでなく、居住しながら段階的に進められるため費用も大きく抑えられるでしょう。

まとめ

建て替えにかかる費用は、面積や建てたい住宅によっても大きく異なるものの、約4,500万円が平均値でした。(2023年6月調査)

建て替え費用は解体工事費用・建築工事費用・地盤改良工事費用・諸費用の4つに大別できます。解体工事費用や建築工事費用ばかりに目が向けられがちですが、諸費用も具体的な項目があり意外と費用がかさむポイントである点も覚えておきましょう。

建て替えを検討している方は、ここまで紹介した建て替え費用の相場や費用を抑えるためのポイントを参考に、ぜひ賢い選択をしてください。

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