刈谷市で注文住宅を建てる際に把握すべき情報|医療施設の充実度は?
2021.06.06
刈谷市は、全国的に人口減少に悩む自治体の多い中、増加傾向を維持する都市です。また、子育て世代や高齢者世帯、単身者など、幅広い層の市民が安心して生活できるように努める都市にもあたります。
当記事では、その刈谷市で注文住宅を建てたい人に向けて、地域の基本情報や市の特徴、さまざまな周辺機関の充実度を紹介します。「家づくりを進めるため、地域の基本情報を知りたい」「市の特徴を正しく把握したい」という人は、ぜひ参考にしてください。
1.刈谷市の基本情報と特徴
刈谷市は、愛知県のほぼ中央・西三河エリア(西三河地域)の西端に位置する都市です。県庁所在地の名古屋から20km圏内に位置し、豊田市や安城市、大府市などの都市に囲まれています。
刈谷市は古くから地方商業都市として栄えており、自動車産業を中心に成長を遂げました。刈谷市の中央部分には、世界的に有名な自動車会社の工場が立ち並びます。
さらに刈谷市は、美しい自然も残る都市です。桜の季節には、刈谷市内の公園に多くの人が訪れます。桜の季節が終わると国の天然記念物にも指定されているカキツバタが咲き誇り、日本の四季の美しさを実感します。
1-1.刈谷市の人口
刈谷市の人口は1955年以降、増加の一途をたどっています。2021年4月1日時点の刈谷市の人口は、164,703人です。年代別の人口分布は、下記の表を参照ください。
年代 人口 10代未満 14,334人 10代 14,716人 20代 20,853人 30代 21,333人 40代 23,026人 50代 21,004人 60代 144,65人 70代 16,114人 80代以上 8,858人
年代 比率
(年代別人口/総人口)10代未満 9.27% 10代 9.51% 20代 13.48% 30代 13.79% 40代 14.88% 50代 13.58% 60代 9.35% 70代 10.42% 80代以上 5.73%
刈谷市の高齢者人口は年々増加傾向にあるものの、高齢化率は国や愛知県の値よりも低水準です。また、刈谷市の合計特殊出生率は愛知県の平均値よりも高く、子育て世帯の数が年々増加しています。
1-2.刈谷市の気候
刈谷市は年間通して比較的温暖で、生活しやすい都市といえます。真冬の最低気温でも2℃程度である年が目立ち、1年の中で0℃を切る日は数える程度です。
刈谷市に隣接する大府地点のデータによると、2020年の年間平均気温は17.1℃です。同年、名古屋地点の年間平均気温17.0℃・豊崎地点の年間平均気温16.9℃を、わずかながらに上回ります。
2.刈谷市の医療・教育環境
理想の住まいづくりを進めるためには、地域の教育・医療施設の充実度合いや交通アクセスのよさについて知り、条件に合う土地であるかを判断する必要があります。
刈谷市は、2010年以降、医療従事者の数が増加傾向にある都市です。たとえば、2010年には298人であった医師の数は、その後の8年間で348人にまで増加しました。看護師の数も医師の数同様、増加傾向にあって、医療提供体制の充実度が魅力です。
以下では、刈谷市の医療環境や教育環境の実情について、より詳しく解説します。刈谷市で暮らす未来を具体的にイメージするための資料として、ぜひ参考にしてください。
2-1.刈谷市の医療環境
まずは、刈谷市の医療環境の充実度について解説します。2018年時点における刈谷市の各種医療機関の施設数は、下表の通りです。
刈谷市の医療環境 ※2018年11月時点の集計値 種類 施設数 一般診療所 内科 43件 外科 14件 小児科 30件 産婦人科 2件 皮膚科 14件 眼科 8件 耳鼻咽喉科 8件 精神科 5件 病院 7件 歯科 62件 薬局 54件
人口10万人あたりの施設数で比較すると、刈谷市の小児科の数は、全国平均値を大きく上回ります。耳鼻咽喉科の数も、全国平均値を上回る水準です。
また、刈谷市は、小児科の営業していない時間帯の子どもの急変に対応するため、専用の電話相談窓口を運営しています。「子どものための医療環境の整った場所で生活したい」と考える保護者にとって、メリットの多い都市といえるでしょう。
2-2.刈谷市の教育環境
続いて、刈谷市の教育環境について解説します。刈谷市における保育園や幼稚園、小学校などの施設数は、下表の通りです。
刈谷市における各教育機関の施設数 保育園 17園 幼稚園 18園 小学校 15校 中学校 6校 高等学校 5校 特別支援学校 1校
刈谷市内の各所には、未就園児を持つ保護者のための子育て支援センター・子育て広場があります。地域社会で子育てを助ける組織のサポートも受けられるため、共働き夫婦にとって生活しやすい環境といえます。
刈谷市内の小中学校は、子どもたちの生きる力を育むことを目標に、さまざまな取り組みを実施しています。たとえば、小学校へのALTの配置・中学校における職場体験学習は、刈谷市主導の取り組みの一例です。
また、刈谷市内には、「SSH(世界的な科学者を育成するためのプログラム)」指定を受けた高等学校があります。教員就職実績の豊富な大学もあり、子どもが成人するまでの期間、満足度の高い教育を受けさせることが可能です。
3.刈谷市の住環境
刈谷市には、子どもから大人まで楽しめるレジャースポットや文化施設、公園が多くあります。たとえば、刈谷市東境町にある複合施設は、産直市場や観覧車、温泉施設などが集まる人気スポットの一つです。
刈谷駅直結の施設は生涯学習の拠点として機能し、音楽・芸能イベントを、年間を通して開催します。刈谷市には運動公園が1ヶ所・総合公園が3ヶ所・近隣公園が7ヶ所・街区公園が85ヶ所あり、子どもの遊び場探しに困りません。
3-1.刈谷市の主な交通機関
刈谷市の主な交通機関は、鉄道(JR東海・名鉄)と公共施設連絡バスです。刈谷市には、刈谷駅・東刈谷駅・逢妻駅・野田高町駅・刈谷市駅など、7個の鉄道駅があります。
7つの駅の中で乗降者人数がもっとも多い駅は、刈谷駅です。JR東海・名鉄合わせて、1年あたり約2,332万人が乗り降りします。刈谷駅から名古屋駅までの乗車時間は、JR東海の新快速を活用した場合、20分程度です。
公共施設連絡バスは年末年始を除き毎日運行していて、誰でも無料で利用できます。公共施設連絡バスの利用者は年々増加傾向で、2018年度には、約72万人が利用しました。刈谷市の提供する「バスロケーションシステム」を活用すれば、バスの走行位置や遅延状況も確認できます。
3-2.刈谷市の都市計画
刈谷市は、「第3次刈谷市都市計画マスタープラン」に沿って、計画的なまちづくりを進めています。2019年時点における各用途地域の割合は、下表の通りです。
市街化区域 第一種低層住居専用地域 2% 第一種中高層住居専用地域 11% 第二種中高層住居専用地域 1% 第一種住居地域 15% 第二種住居地域 3% 近隣商業地域 2% 商業地域 2% 準工業地域 3% 工業地域 7% 工業専用地域 1% 市街化調整区域 53%
地目別で見ると刈谷市内の土地の約38%は、宅地として利用されます。約28%は田畑として利用され、約10%は雑種地として利用されている状況です。
また、刈谷市内の一部のエリアには、街区単位で土地利用方法を定める「地区計画」が適用されています。注文住宅を建てるための土地を購入する際には、用途地域・地区計画を事前に調査し、自分自身の理想とするマイホームを建てることができるかを判断しましょう。
3-3.刈谷市の地価相場
刈谷市の地価相場は、1坪あたり48万7,000円程度です。たとえば、35坪から40坪程度の広さの土地の価格は、1,704万5,000円~1,948万円程度となります。
刈谷市の地価相場 2020年 基準地価 約14万7,000円/m2 坪単価 約48万7,000円/坪
刈谷駅の周りや逢妻、野田新町エリアは市内でも地価が高く、坪単価50万円を超える水準です。刈谷市駅の周りや東刈谷エリアも比較的地価が高く、市内の平均坪単価を超えます。
まとめ
刈谷市は子育て世帯の増加が見られる都市にあたり、小児科の数が全国水準を上回ります。また、刈谷市には豊かな自然環境の残る公園や、大人も楽しめるレジャースポットが多くあり、快適な生活を送ることが可能です。
刈谷市についてより多くの情報を知りたい人は、地域密着スタイルで経営する工務店やハウスメーカーの個別相談を受け、話を聞く方法もよいでしょう。情報収集した内容をもとに刈谷市の土地を購入するかどうかをあらためて検討してください。