持ち家と賃貸どちらがお得?メリットとコストを徹底検証
2020.12.07
結婚や出産・育児といったライフステージの変化をきっかけに、マイホームを購入するケースは珍しくありません。
しかし、持ち家と賃貸にはどちらも一長一短があります。そのため、老後を見据えて持ち家を購入するべきか、賃貸に住み続けるべきか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、持ち家と賃貸について、それぞれのメリット・注意点や、必要となるコスト(住宅費用)を紹介します。
持ち家に向いている人・賃貸に向いている人についてもあわせて解説するため、安心して暮らすことができる住まいの計画を立てたい人は、ぜひ参考にしてください。
1.持ち家のメリット・注意点は?
住宅ローンを組んで購入することが一般的な持ち家は、人生で最も大きな買い物となるものの、月々の支払いは賃貸物件より安くなるケースも少なくありません。
それだけでなく、持ち家にはその他にもさまざまなメリット・注意点が存在します。
まずは、持ち家の主なメリットと注意点を紹介します。
メリットと注意点の両方を把握したうえで、持ち家の購入を考えましょう。
1-1.メリット①ハード面のクオリティが高い
持ち家の場合、築年数や広さが似ている条件の賃貸物件よりも、建具や設備のグレードが高い傾向にあるというメリットがあります。
分譲マンションや建売住宅でも、キッチンの種類や建具、内装に使用する材料を選べることも珍しくありません。
また、注文住宅であれば、自分たちの予算に合わせて設備のグレードを自由に選択できます。
さらに持ち家は、耐震性や耐久性などといった住宅性能が、平均的な賃貸物件よりレベルが高い傾向にあることも大きな魅力の1つです。
防災に努めつつメンテナンスを適切に行えば、長く安心して住むことができるでしょう。
1-2.メリット②間取りや内装を自由に変えられる
住まいの間取りや、外装・内装、さらに外構といったさまざまなポイントを自由に決められることも、賃貸にはない持ち家の大きな魅力の1つです。
家を建てる土地やハウスメーカーによっては、ある程度の条件もありますが、注文住宅を新築する場合は、基本的にすべて自由に決められます。
建売住宅や分譲マンション、さらに中古住宅の場合、一からすべて決めることは困難と言えるでしょう。
しかし完成前の物件であれば、内装や建具を選べる場合もあります。
また、入居後の模様替えやリフォーム・リノベーションを自由に行えるため、自分の好きなタイミングで間取り変更や内装変更を行うことも可能です。
1-3.注意点①恒常的な出費が発生する
持ち家にはメリットも多数ありますが、注意点もいくつかあることに注意が必要です。主な注意点の1つとして、恒常的に住宅関連費用の支出があることが挙げられます。
賃貸物件は「家賃」を毎月支払いますが、持ち家は「ローン返済」として毎月一定の費用を支払う必要があります。
持ち家は住宅ローンを組んで購入し、数十年にわたる返済期間で毎月少しずつローンを返済することが一般的です。
また、ローンを組まず一括で購入した場合でも、固定資産税は毎年かかることに注意しましょう。
さらに、分譲マンションの場合は、老朽化に備えた修繕積立金がかかります。
いずれの形態の物件でも、経年劣化による補修・修繕を行うための資金も常に用意しておくべきだと言えるでしょう。
1-4.注意点②気軽に引っ越すことはできない
住宅取得後は、賃貸物件で暮らしていたときほど気軽に引っ越すことができない点にも注意が必要です。
転勤の可能性がある方や、ご近所トラブルに巻き込まれたくない方は気を付けましょう。
転居が気軽にできない理由はさまざまですが、主に土地や物件を売却する手間がかかることや、ローン残額よりも売却価格が低く、金銭面で損失が出やすいことが挙げられます。
持ち家があることによって動きにくくなる恐れがあることを念頭に置いて、住まい計画を立てることが大切です。
2.賃貸のメリット・注意点は?
賃貸には、持ち家にはないメリット・魅力もあります。
一方で、注意点もいくつかあるため、メリット・注意点の双方を把握しておくことが重要です。
次に、賃貸物件で暮らし続けることのメリット・注意点について解説します。
前述した持ち家のメリット・注意点とあわせて総合的に判断し、自分に合った住まいの形を見つけましょう。
2-1.メリット①設備の修理代を負担する必要がない
持ち家の場合、建物自体や住宅設備などに不具合が発生すると、修理やメンテナンスの手配を自分で行わなければなりません。
さらに、修理費やメンテナンス費も自分で支払う必要があります。
一方、賃貸の場合は大家さんやオーナー、管理会社などが修理費やメンテナンス費を負担します。
地震などの自然災害で住まいが被害に遭っても、建物自体や住宅設備に関する損失を被ることがない点は、賃貸の大きなメリットと言えるでしょう。
2-2.メリット②ライフスタイルに合わせて引っ越せる
賃貸は持ち家より引っ越しやすい点も、賃貸の大きなメリットの1つです。
結婚や出産、子どもの成長、転勤や進学といった変化に合わせて引っ越すことができるため、ライフスタイルに対応した暮らしをしやすくなります。
子どもが独立した後には、夫婦2人での暮らし方に合った住居を選ぶなど、老後の住居費を下げることも可能です。
2-3.注意点①老後も家賃の支払いが続く
持ち家の場合、購入時の頭金や長期のローン、固定資産税、メンテナンス費など、さまざまな住居費がかかりますが、住宅ローンを完済すれば住居費の負担は一気に軽減します。
一方、賃貸の場合は、物件に住み続ける限り家賃がかからなくなることはありません。
賃貸物件では老後も家賃や更新料・駐車場代・管理費など、月々の支払いが続くことに注意しましょう。
また、物件を借りて住む方が高齢になった場合、家賃の支払い能力といった面や健康面などで賃貸契約や契約更新を断られるリスクもあります。
高齢者は年齢を重ねるほど、保証会社による保証ではなく、身元保証人を求められるケースが増加するため、身元保証人が確保できない方は要注意です。
2-4.注意点②内装や設備を自分で決められない
持ち家の中でも、特に新築分譲マンションや注文住宅の場合は、内装や設備などを自分たちで決めることが可能ですが、賃貸の場合は大家さん次第です。
間取りや内装などが希望通りではなかったり、備え付けの設備が年式の古いタイプであったりする場合もあるため、持ち家よりも妥協しなければならない点が多くなります。
さらに賃貸物件の場合は、入居後のリフォームや壁紙の張り替えなども大家さんの許可を得る必要があります。
資産価値を損ねる恐れがあるため、大家さんの許可なしでは壁に釘1つ打つことも難しいことを覚えておきましょう。
3.【検証】持ち家と賃貸にかかるコスト
持ち家と賃貸を検討する際には、「どのような費用が」「どの程度」「どのタイミングで」必要か確認しておくことも重要です。
では、マイホームを購入した場合と賃貸を借り続けた場合に、どのようなコストがどのようなタイミングで必要となるのでしょうか。
簡単なシミュレーションを確認し、自分のライフプランや資金計画と照らし合わせてみましょう。
〇持ち家にかかるコスト |
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持ち家の場合、頭金や登記費用などといったまとまった費用がマイホーム購入のタイミングで必要です。
その後も固定資産税や、住宅ローンを組んだ場合はローン負担が続きますが、住宅ローン返済が終われば支払額は大幅に軽減します。 |
〇賃貸にかかるコスト |
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賃貸の場合、転居のたびに引っ越し費用がかかりますが、持ち家を取得する際の頭金・初期費用ほどではありません。 収入の変化に応じて転居するなど、費用面はある程度コントロールできるでしょう。 |
しかし賃貸の場合、住み続けている間は家賃や更新費用などの支払い義務が発生します。 定年退職後に年金のみの生活となっても同じ支払い額を負担しなければなりません。
持ち家とは違い、家賃負担があっても、自宅を自己資産にできないことにも注意が必要です。
4.持ち家・賃貸が向いている人の特徴
持ち家にも賃貸にもメリット・注意点の両方があり、一生のうちに必要となる住居費の項目や出費のタイミングも異なります。
では、持ち家と賃貸では結局どちらの方がお得なのでしょうか。
持ち家に向いている人と賃貸に向いている人について、それぞれの特徴を確認しましょう。
〇持ち家が向いている人 | 〇賃貸が向いている人 |
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持ち家と賃貸のどちらにするか検討する際には、上記の特徴を参考にしながら、コスト以外の観点からも考えることが重要です。
「自分の価値観」と「理想の住まい」を、具体的にイメージしながら検討を進めると良いでしょう。
住まいについて考えるための方法にはさまざまなものがありますが、持ち家のイメージを膨らませたい方には、住宅展示場でモデルハウスを見学する方法がおすすめです。
まずは、住宅展示場でさまざまなハウスメーカーのモデルハウスを見学してみましょう。
まとめ
持ち家と賃貸にはそれぞれ一長一短があり、一生のうちに住まいにかかるコストの内容や費用が必要となるタイミングも異なります。
メリットや注意点、住まいにお金がかかるタイミングなどを踏まえたうえで、持ち家を購入するか賃貸に住み続けるか検討しましょう。
一方で、住まい選びに関してはコスト面以外の観点から考えることも大切です。
住宅選びに迷ったら、住宅展示場でモデルハウスを見学してみると良いでしょう。
実際に建物を見て感じ、自分に合った持ち家のイメージを描いてみてはいかがでしょうか。